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guitar

No.37 Gibson Les Paul ’99 Historic Collection 1959 reissue

name: H99

「The 王道」、Gibson の Les Paul です。こいつは1999年製。「ヒストリック・コレクション」と呼ばれるシリーズで、1959年のリイシューです。

「ヒストリック・コレクションってなに?」ということを説明するには、まずは簡単に Les Paul の過去を振り返る必要があります。ギター好きな方からしたら当たり前のことを羅列しますが、ギターのことをあまり知らない方々にも少しでも興味を持ってもらえるように、なるべく分かりやすく書いてみます。

Les Paul が登場したのは1952年のこと。当時の Les Paul といえばゴールド・トップでした。ピックアップはP-90、テールピースはブランコ型で、オクターブチューニングができるようなブリッジもまだありませんでした。つまり皆さんがイメージする Les Paul とは若干仕様が違います。

Les Paul が塗装にサンバーストを採用し、ハムバッカーを搭載したのは1958年。その1958年から60年までの3年間に製造された Les Paul は特別なんです。

余談ですが、Les Paul ってずっと生産され続けてるというイメージがありますよね?しかし1960年で一旦生産が終了しているんです。正しくは大幅なモデルチェンジがあり、Les Paul の名を冠した SG が生産され始めます。60~62年あたりのヴィンテージの SG は「SG Les Paul」というんです。これ、知らないとなかなか謎なことですよねぇ。SG から Les Paul の名が外れ SG となったのは1963年、従来の Les Paul が再び生産され始めるのはそのまた5年後の1968年のことです。

それらの事情もあり58~60年製の Les Paul は特別なんですが、たった3年間のことなので製造本数にも限りがある(1,400本ほどと言われています)。生産された Les Paul 全てが現存しているわけでもない。年々流通量が減ってきている印象、つまり探しづらくなってきている印象ですが、それでも出物があるとヴィンテージ市場で高価で取引されています。皆さんなかなか手放さないですよね。所有しているだけで話題になりますもん。「誰々(有名なギタリスト)が所有している」とか、「シリアルがいくつのやつはアメリカのあの楽器屋が持ってる」とか。

ちなみに値段は……今では最低でも1,000万円くらいでしょうね。状態が悪くてそれですよ(汗) 状態の良いものになると2,000万だの3,000万だのになってきているようです。ヴァイオリンの「ストラディヴァリウス」と同じような扱われ方になってきているのかもしれませんね。

そういった「希少価値」に加えて、音もルックスも独特なので、その価値は高まる一方です。ただの木だったものが経年変化で「ギター」になり、枯れまくったボディー。当時物のパーツも見逃せないファクターです。電気系のパーツは年々改良されています。品質が上がってきているんですね。しかし「当時は質があまり良くないものを使っていたからあの音になる」という偶然の産物説を唱える方もいらっしゃいます。おもしろいですね、良い品質のものを使うことイコール良い音になるとは限らないんですね。こういうところがまたギターの底なしの魅力のひとつです。

ルックスも当然一本ずつ、しかも全く違います。退色して当時と色が変わってしまっているものもあります。退色どころかボディーエッジの塗装が飛んじゃってなくなって、見えなかったはずの木目や杢が出現している場合もあります。杢の出方も派手なのから、まるで出ていない地味なものまで様々。使い込まれて打痕だらけのものから、買われてからずーっとケースにしまってあり新品同様のものまで、これまた様々。

ボクも何度かその年代の Les Paul を弾いたことがあります。楽器屋さんで試走させてもらったり。ちょっと買う気になってみたり!

所有している方からお借りしてレコーディングで使ったこともあります。やっぱり弾き心地/抱き心地が現行のものと違うんですよねぇ。体にピッタリとくる。使い込まれて微妙に角が取れたりしてそうなったんでしょうかね。不思議な感覚でした。音も別世界な感じがしました。その出来事自体が20年以上も前の話ですが……所有者の方が売ってくれるっていうんですよ!値段を聞いたらウン百万…..5より上でしたね。手が出ませんでしたが、今そのギターを買うなら1.5~2倍はするでしょうね。頑張って買えばよかったかなぁ(白目)だってもはや容易に出会えませんからね。しかも間違いなく値段が下がっていることはない。

ここで「ヒストリック・コレクション」に話が繋がるんです!そんな入手困難、チャンスはあったとしてもぶっちぎり高価な58~60年製の Les Paul。先述したとおり年々流通量も減り、ますます入手困難になっていく状況です。

そんな状況を打破すべく、キラ星のように現れたのが「ヒストリック・コレクション」なんです。

これつまりどういうことかというと、Gibson のカスタムショップが「ルックスだけではなく、構造までヴィンテージを再現した初のレプリカ」を作るというコンセプトで90年代初頭にスタートしたプロジェクトなんです。

「見た目はヴィンテージの新品」ということですよね。今でこそリイシュー物は当たり前のようにありますが、当時はリイシューがビジネスとして機能する前でした。なのでここに目をつけてビジネスとして展開するということは Gibson にとってもかなり冒険的/革新的だったことでしょう。そしてこれがヴィンテージには手が出ない、しかし現行のラインナップでは満足できないという層に大いに受けるんです。ボクもそんな中のひとりです。

そのプロジェクトが最初のギターを発表したのが1993年のこと。ボクのこいつは1999年製。ちょうど脂が乗ってきた頃のものだといえます。現に「99年製は当たり年」なんて話も聞きます。

さあさあ!難しい歴史の話はここまで!こいつについて話をしていきましょう!!

Vol. 35に登場した Les Paul Recording の「Recordings君」と同じく、こいつは御茶ノ水にあった「HISTORIQUE GUITARS(ヒストリーク・ギターズ)」で出会いました。2002年の秋頃だったと思います。そこで何本かギターを買った後だったので、オーナーの今井さんともいろんな話をするようになっていました。

壁に飾ってあったこいつ、値段もついていませんでした。ふと気になり、いろいろ質問してみました。その時にボクも初めて「ヒストリック・コレクション」の存在を知ったような記憶があります。

ちょうどその頃、どんどん値上がりしていく58~60年製 Les Paul の入手を断念した頃でもあったんです。これってご縁じゃないっすか!?!?俄然所有欲が湧いてまいりました!!

しかしそもそもなんで値段が付いていないのか……?オーナーさんが言うには「アメリカで買い付けしてきたんだけど、あまりにも美品でお店に飾っておくことにしている」とのこと。あららら、そうですか(汗) そ、それじゃあ、も、もし、う、売るとなったら、お、おいくらほどになるんですかねぇ……?(汗)(汗) 聞いてみたところ、7桁超えのなかなかパンチのある金額でした。これじゃタイヤ4本付けたら道を走れるじゃないですか!58~60年製には遠く及ばないものの、やっぱりギターの値段としてはかなり特別な数字でした。

うーん、悩む。うーん、うーん……。悩んでいるボクの姿を見て今井さんがこう声をかけてくれました。「あれ?購入したいですか?横山くんになら仕入れ値で出してあげるよ?」なーーーんですってー!?そして提示された金額がボクの懐事情のストライクゾーンに!!!ありがたい!!!これはもう購入決定です!!!

ゲットしたのは2002年の秋頃だったはずです。シリアルは「9 9167」、1999年製の59年製のリイシューですね!

木目も杢もめっちゃイカしてないっすか!?まずすごく特徴的なのが、完全に柾目に取られた木目ですね。こういう木目はなかなかお目にかかりません。柾目に取るより板目に取ったほうが枚数が多く取れる、つまりコスパに優れているので、こいつのトップ材は贅沢に取られているといえます。

杢も個性的ですね!左右でかなり杢の出方が違うので、完全にブックマッチというわけではなさそうです。6弦側のケツのあたりの杢なんか、ボク大好物です。こいつの表情を決定づけてるといえる、特徴的な杢をしてます。6弦側のフロントピックアップ近辺もいいですね!太いワイドフレイムが出てたり出てなかったり!ところがボディーの1弦側半分は結構タイガーストライプのノリもあり、いわゆる「バリ虎」ですね。左右で杢のノリが違い、それぞれに良さがある。総じてとても複雑で、個性的な表情をしています。

値段が高かったのは、実はこの木目と杢がこれだけ珍しい、しかも美しい表情をしているためだったんです。そりゃ描いたかのような「全体がバリ虎ー!」っていうギターは数多くありますけど、ここまで柾目に取られた木目もしっかり出て、複雑な杢と絶妙なハーモニーを醸し出しているものはなかなかないです。

まさしく「美品」だと思います。

もうひとつのこいつの特徴は、レリック加工されていることです。今ではレリックというとボディーの塗装を剥いだりかなり派手にやるのが普通になってきていますが、こいつはシーズニング・クラックにレリックの焦点が絞られていました。なので打痕はボクが使用している中で付いたものです。

トップに寄った写真を見てください、クラックがバリバリ入っていますね。これは職人さんがカッターでひとつずつ入れたらしいです。この加工も今では当たり前になっていますが、当時はそれを聞いてかなりビックリしたもんです。

塗装に目を移してみましょう。かなり抑えめなサンバーストですね。現状ハニーバーストに近いんでしょうか?しかし20年前の購入時にはもっとチェリーサンバーストだったんですよ。つまりフェイドしたんですね。ヒストリック・コレクションのギターが登場して早30年ほど、塗装がフェイドしていくのか、あるいはまるでしないのか、そろそろ検証可能な時期でもあると思います。もちろん年代や保管状況にもよりますが、ボクのはバッチリしてますね!これは58~60年製と同じような楽しみ方ができそうです。一緒に歳を重ねて一緒に変わっていく、そんな何十年単位の楽しみ方、めちゃめちゃ贅沢ですよね!

Gibson の公式ウェブサイトのヒストリック・コレクションのページの見出しに「『全く同じ』を求めることで、作り手、買い手がともにヴィンテージ・レス・ポールについて知見を深めてきた」と書いてあります。99年にこいつに施された技術に関するストーリーをかき集めると、いみじくもこいつがその見出しを体現しているような気がします。

肝心のサウンドの方ですが、一言「いい!」に尽きます。ピックアップは、確認はしていませんが、おそらく ’57 Classic でしょう。出力がボクがライブで使っているものと比べると弱いので、ライブでは使いません。しかしレコーディングでは毎回大活躍してくれます。サウンドもチューニングも安定しているので、とても信頼できるギターです。

主にギターソロ、オクターブ奏法でのメインテーマなどの重ねで活躍しています。直近の「4Wheels 9Lives」だと、「While I’m Still Around」のギターソロなんかこいつですね。

ちなみにレコーディングでの初使用は Ken Yokoyama の1stアルバム「The Cost Of My Freedom」でした。そのレコーディングは2003年の終盤、その1年前に購入しているので、満を持しての使用だったんですね。それ以来レコーディングには必ず持っていっています。……BBQ CHICKENS では使ってないですねwww 使うわけありませんwwwww

「H99」という名前は「ヒストリック・コレクション99年製」そのまま、「エイチキュウジュウキュウ」と呼びます。言いづらいんですけどね、エイチキュウジュウキュウ。言いづらいのでレコーディングなんかでもほとんどそう呼ばないです。「ヒスコレ取ってー」ってなっちゃいますね。「エイチキュウジュウキュウ取ってー」とはならないですね、やっぱり。なんとなく「エイチキュウジュウキュウ」って口にするのに照れもありますw「クレゴーゴーロク」とか「ビーニジュウキュウ」とかはなぜ言いやすい、ってか言えちゃうんですかね?同じ「ローマ字1文字に二桁の数字」なのに、この差はなんなんでしょうか?

差はしょうがないとしても、とにかく呼びづらい。うーん……いまさら改名っていうのも、それはそれで照れますしねぇ……。ニックネームをつけちゃおっかな!……しかしニックネームなんかつけたら、それこそ名前の意味がないですよね(汗) カオスです(猛汗) 人間なら意味があるのに、不思議なもんですね。

でも開き直り、というかやったもん勝ちでしょうね、こういうのって!こういうの、がもはやどういうのかわかりませんがwww

困るのはギターテックだけですからね!「◯◯(ニックネーム)取って!」「◯◯って……どれでしたっけ?(汗)」「◯◯は”エイチキュウジュウキュウ”だろー!」、そんなら最初から照れないでエイチキュウジュウキュウって呼べばいいんですよねwwwwwwwww

よし!!ニックネーム募集します!!

「横山健のギターに名前を付けたい!」「いいの思いついた!」って方は guitar@pizzaofdeath.com までお願いします!!

2022/03

No.37 Gibson Les Paul ’99 Historic Collection 1959 reissue / name:H99
  • No.37 Gibson Les Paul ’99 Historic Collection 1959 reissue
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