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guitar

No.38 Gretsch G6120T-59KYGT

name: Copper

14本目の Gretsch、こいつの名前は「Copper」です!

ゴールドトップ/ブラックサイド&バックの2トーン、べっ甲柄のバインディングの Gretsch 6120、めっちゃレアです!!レアで当然、こいつはワンオフなんです。正確に言うと「ワンオフになってしまった」という感じなんですが(汗)

2016年に Gretsch はレギュラーモデルの在り方を大きく方向転換しました。ヴィンテージ Gretsch のエッセンスを色濃く打ち出した「ヴィンテージ・セレクト」と、激しいライブにも対応できることに重点を置いた「プレーヤーズ・エディション」の2つのラインを発表しました。

2つのラインとは具体的にどういうことかと言いますと、Gretsch には「White Falcon」という機種がありますよね?White Falcon に「ヴィンテージ・セレクトの White Falcon」と「プレーヤーズ・エディションの White Falcon」が存在するようになったんです。White Falconだけではなく、Duo Jet や Tennessee Rose、Country Gentleman、そしてもちろん 6120 などの代表機種10種に2つのラインが存在するようになりました。日本では2016年の6月に発売されました。

この「Copper」は 「ヴィンテージ・セレクトの 6120」なんです。

ボクは発売前には「メイン機種が2つのラインに分かれるらしい」ということは知っていました。それで思ったんですよ。「これって Gretsch にとって大改革だな!」と。めっちゃ気になります。当時の Gretsch の日本代理店の人から結構細かく聞いちゃってましたしね……。聞けば聞くほど気になりますよね……。「White Falcon のヴィンテージ・セレクトの方はここがこうなるらしい」とか、「6120 はなんと!ここが!こうなって!!」とか!www ……気になる気になる気になる……。

気にしててもしょうがないので、とりあえず両シリーズの 6120 を1本ずつ買ってみることにしましたwwwww そりゃそうっすよwwwwwwww 体感したきゃ買うっきゃないっすwwwwwwwww

しかしただ買うんじゃ少し味気ない。なにしろこの段階でオレンジ色の Gretsch を何本か所有していたので、そんなオレンジばかりいっぱいあってもなぁ……という感じでした。

間違いなくオレンジの 6120 は Gretsch の大看板です。ランドマーク、基本中の基本。ただあーんまり、自分のカラーって思えない部分もあって(汗) ボクがコレクターならいいんですけどね(汗汗) もしライブで弾くってなるとしたら、オレンジの 6120 にウキッとするかなぁ??積極的に持ちたい!って思うかなぁ?とか考えてしまって(汗かと思ったらお漏らしでした)

そこで「リペイント、つまり自分が手に取りたくなるようなオリジナルカラーに変えちゃえばいいんだ!」、アイデアマンのボクはそう思いついたんですね。

そして……アイデアマンであり、倹約家でもあるボクはこうも考えたんですね。「実際に売り物を買って塗装を剥がすより、工場にある塗装前のものをボクが希望する色にしてもらう方が、塗装剥がしの手間が省けるなぁ……」、これは事実そうですよね?ただ少しだけ強引なやり方かなとも思うので……まず代理店の担当さんの見解を聞いてみないと。

「こ、こういうことって、で、できますかねぇ??」、アイデアマンであり倹約家でありビビりでもあるボクは、おそるおそる聞いてみると、「やりましょう!」とのこと!やったー!言ってみるもんだなぁ!!でもね!!もしこれでカッコ良いのができて、ライブで弾いてリアクションがあったりしちゃったら、シグネイチャーモデルになっちゃったりして!!ワハハ!!!いや、そういったことだって可能性としてはありますからね!!アイデアマンであり倹約家でありビビりでもあるボクは、物事を大きく考える THINK BIG な性質も(もういいですねwwwww)

後に代金を支払ったのですが、リペイントしたにもかかわらずとても安くしていただきました。倹約家としてはとて(ry

これがレアなこいつが生まれた経緯です。

写真を見ながら解説しましょう。

まず先述のカラー!ゴールドトップにブラックサイド&バック!!もう叩き台を作っている時点で、この2トーンは勝ちの匂いしかしなかったですね。そこへべっ甲柄のバインディングとピックガードですよ!間違いないっしょ!!バインディングが太くて存在感バリバリです。F ホールの内側にも丁寧にべっ甲が巻かれていて鬼シブ!!

塗装はとても薄く吹かれているようで、クラックが入り始めてきてますね!こいつは普段は部屋に置いてあるんですが、置いておくだけで一冬超えるごとに味が入っていってくれることでしょう。ライブで弾けば緑青も発生しますね!ちなみに緑青については愉快なエピソードがあるので、後述します。

ボディーサイズは幅が16インチ、これは標準的です。しかしボディー厚が2と3/4インチ、かなり厚いです。ボディー内部をアナルからぶち込む腸内カメラのように撮った写真を見ていただければわかると思いますが、トレッセルブレーシングを採用してあります。

たっぷりとエアー感を含んだものを豊かなボディーで鳴らす、それをトレッセルがしっかりと伝達する、というわけです!……なんかエロいっすねぇwww そんなこと言ってる場合じゃないw ボディーが厚いギターで歪ませると当然ハウりやすいんです。こいつも若干ハウりが強いとは思いますが、ボクにとっては気になる範囲ではありませんでしたよ。

仕様に目を移すと、かなりおもしろいものになってます。おもしろいとは言っても、型番にある通り59年の6120を踏襲しているので当たり前なんですが、今風ではなくてとても興味深いという意味です。

2つ特徴的なパーツを採用しています。まず1つ目がバーブリッジ。ブリッジがオクターブチューニングができない、一本グソのような形状になっていますよね?これがブラスでできていまして、ズシッと重い。このパーツ、これ独特の音がするんですよ。すごく良いんです。

2つ目がゼロフレット。ナットのすぐ下に、普通のギターには存在しないフレットがついています。これもサウンドキャラクターを大きく左右するパーツです。

実はこの2つの仕様、Vol.20 で紹介した「Honolulu (Gretsch G6122-1962 Country Gentleman)」で採用されているものと同じで、その項でこれらのパーツのストロングポイントなどを説明してありますので、興味がある方は参考にしてみてください。

仕様においては他に特別な部分はありません、売り物と全く同じなんです。が!しかし!1点だけ!リアピックアップを変更してあります。これは TV Jones のボク用に試作されたカスタムピックアップです。確かこの時期に3バージョンほど細部を変更されたピックアップを受け取っていまして…….そのたびに別カラー、例えばシルバーやゴールドなど3つほどあったので、合計で約10個ほど試作品があるんです。これが何度目のものかはもはや資料が残ってないのでわからないんですが、とにかく TV Jones がボク用に作ってくれたピックアップを載せてあります。出力が高めで、充分歪む仕様になっています。

あ、ここで愉快な緑青の話をしちゃいましょう!!ビグスビーやコントロールノブを見て「やたら錆びてんなぁ」と思いませんでした?ボクねぇ、緑青を発生させようとして細工したんですよ!

緑青が発生しやすい環境……とにかくライブで使うことですよね。つまりどういうことかといいますと……ライブで弾くと汗がギター本体に滴り落ちる、お客さんの汗を含んだ熱気にも触れる。そうです、汗の塩分に反応して緑青になるのではないか、と!!それを家で再現できるのか?と実験しました。なんと「塩水」でwwwwwwwwwwww パーツやボディーのクラックが入っているところに塩水を塗りたくって2~3シーズン放置を致しましたwwwwwwwww そんなこと実験するギタリスト、いるかなぁ??wwwww

結論を言いますと、ゴールドパーツは普通に錆びましたwwwwww 緑青っぽくもみえますけど、普通にただの錆びですねwwwwwwwww ボディーは無念の「まるで変化なし」ですwwwwwwww ギターに塩水なんか塗って良いわけはないので、結局「塗り損」でフィニッシュですねwwwwwwwwww

ただ「すごいな」と思ったのはね、数ヶ月たって塩水を塗ったあたりを見てみると、水は当然蒸発しちゃいますよね?ところが塩は再結晶化して、粒として残ってるんですよ!!すごいっちゃーすごいけど……事実として手元に残ったものは、錆びたハードウェアと塩まみれのボディーです(へコーwww) 良い子の皆さんは真似しないように(フリじゃないですよww)(しかしwwwwwww)(愉快だと思って書いたのに案外愉快じゃなかったwwwwwwwwwwww)(あるあるですwwwwww)

最後に、ボディー内部に貼ってあるラベルについて。

シリアルは JT17080015、17年8月に完成したギターです。このシリーズが16年6月に発売され、その前くらいから計画は始まっていたんですが、なんと完成までに1年ちょいかかったんですね!!そんなに待った記憶はないんですけどね……。ギターが1本できあがるまでにも、いろんなストーリーがあり、そのぶん時間もかかるっちゅーことですよね。

ちなみにボクの手元に来て、しばらくはステージデビューさせなかった記憶があります。半年くらいは表に出さなかったんじゃないかなぁ?18年3月くらいからステージでも使い始め、その年はかなり弾いたように思います。最近弾いてないなぁ……(汗)

さて……シリアルナンバーの上に明記されているモデルナンバーというところを見てください。「G6120T-59KYGT」とありますね。6120の後ろのTは「トレモロ」を指します。59は「59年のモデルを踏襲している」という意味です。つまりここまでは市販品と同じなんですが……その後の「KYGT」とは!?!?ここは「横山 Gretsch シリアル解読研究所」の出番じゃないですか!!

「KY は Ken Yokoyama、GT はおそらくゴールドトップの略だと思われます。」

おーっ!今回は明瞭なお答え!

つまりオリジナルカラーで作って欲しいと工場に伝える段階で、担当さんがアメリカ本国の Gretsch に「Ken がこういうことをしたいって言っている」って話を通してくれたんだと思うんですよね。そこでオッケーが出て、割り当てられたモデル名が「G6120T-59KYGT」だった、ということだと推測できます!これが冒頭の「ワンオフになってしまった」の答えです!

しかしですよ……??型番にイニシャルまで入っているってことは……これって市販はされていないものの、横山健モデルってことなんじゃないですかねぇ???厳密に言うと、そのプロトタイプってことだと思うんですよ!!

おおっ!現物がすでにあるってことは、これは商品化しようと思えばできるじゃないですか!!

どなたか「欲しい!商品化して欲しい!!」って方、いらっしゃいますかねぇ??「塩水を塗らない」と約束していただけるなら検討しましょうかwwwwww

2022/6/20

No.38 Gretsch G6120T-59KYGT / name:Copper
  • No.38 Gretsch G6120T-59KYGT
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