No.20 Gretsch G6122-1962
name: Honolulu
3本目の Gretsch を紹介します。Country Gentleman (カントリージェントルマン) です。ボクのには「Honolulu (ホノルル)」という名前が付けてあります。こいつは思いっきり現行品で、改造もまったくしてません。
あ、改造してないっていうのはウソかも!改造ってほどの改造じゃないですけど、ブリッジ下の木製の台座を、御茶ノ水の「楽器センター」というお店でピン止めしてもらいました(通常はピン止めしてありません)。
サイズはかなり大きいです。幅が17インチ、厚さ2インチ。まぁ大きいですけどね、厚みはそんなにないので弾くには全然気にならない感じです。ネックのジョイントもおもしろいですね。これ、何フレット接続なんですかねぇ?もう13〜14フレットあたりでジョイントしているように見えますけどね…ジョイントの位置がそんなに低かったら弾きにくいと思われるでしょうが、ダブルカッタウェイなので、それも全く気になりませんね。というかジョイント部分が長いですからね。そのまんま握れちゃうんで、ハイフレットで弾くのも結構楽勝です。
シリアルナンバーは「JT12125299」。ヘッドに「THE CHET ATKINS COUNTRY GENTLEMAN」と刻印されたプレートがついてます。ペグは高級機種にのみ装着を許されたグローバーのインペリアルペグ。ボディーの色は「ウォルナット・ステイン」という色です。
カントリージェントルマンとは、様々なモデルを生み出した名ギタリスト「チェット・アトキンス」のシグネイチャーモデルの一つです。実はベンジーさんやチバ君の使用で有名な 6119テネシアン(テネシーローズ)も、ブライアンセッツァーで有名な 6120 も、チェットアトキンスのシグネイチャーモデルなんです。そしてこのカントリージェントルマンといえば、ビートルズのジョージハリスンの初期の愛機としてあまりにも有名です。
カントリージェントルマンの現行品でもいくつかバリーエーションがあります。 「G6122」でカントリージェントルマンであることを意味するんですが、「G6122-1959」、「G6122-Ⅱ」、そしてボクの「G6122-1962」の3種類です。少しずつ仕様が違うのですが、中でもこの G6122-1962 がやはりジョージハリスンの影響で有名です。そして一番ブッ飛んだ装備がしてあります。
どうブッ飛んでいるか…まずセミアコやフルアコのトップにある「F ホール」、当然こいつにもありますよね?でもよく見てください…「描いてある」んです(猛爆)ハウリを起こしやすいなど、いろいろ音の事情があってこうなったんでしょうけどwwww描いてまで必要なものなんかなぁ?wwwwいや必要だと思ったから描くことになったんでしょうけどねwwwwwwwwwwまぁ描いたものでも、あるとないとでは大違いでしょうしねwwwwwボクもあってくれて嬉しいですよ?wwwwでも「描く」ってwwwwwwwwwwwww発想が大味というか大胆というかwwwwwwまぁブッ飛んでますよねwwwww女性の眉毛じゃねぇんだからさぁwwwwwwwwww
こうやって「描かれた F ホール」は「シュミレイテッド F ホール」と呼ばれています。訳すと「擬似 F ホール」という感じでしょうか。ちなみにこれはテネシーローズにもよく採用されています。もちろん本当に F ホールが開いているのもあるにはありますが(「G6122-Ⅱ」には実際に F ホールが開いてます)、カントリージェントルマンとテネシーローズにシュミレイテッドは多く見られます。黒で F ホールを描いて、周りを白で縁取ってあるもの…テネシーローズなんて結構そのイメージですよね?そうすると本当に開いているかのように見える、そういう手の込んだ仕様も多くあります。
というワケで、こいつは F ホールやサウンドホールを持たない、完全な箱なんです。もちろん独特の鳴りをします。
「描いてある F ホール『シュミレイテッド F ホール』は分かりました、他にどこがブッ飛んでるんですか?」、お答えしましょう。「ダブルミュート機能」です。
リアピックアップとブリッジの間に、なにやら怪しい黒いスポンジ状の物体があるのが見えますよね?そしてブリッジの左右に一つずつ、赤いフエルトで縁取ってあるスイッチがうやうやしく存在しています。
それでは実際に動かしてみましょう。
まず6弦側のスイッチをこうして…
こう!
わかります!?(猛爆)リアピックアップとブリッジの間のあやしい物体が、ニョーンと持ち上がって弦に触れてますよね!?しかも4弦から6弦に対応してますよね!?
それでは1弦側もやってみましょう。
こちらのスイッチをこうして…
こう!
わかります!?(猛爆)今度は1弦から3弦に例の物体が触れてますよね!?
こうなったら両方のスイッチをオンした状態を見てもらいましょう。
黒いスポンジ状の物体が全部の弦に触れてるのが確認できると思います。これは「ミュート」っていう奏法ありますよね?右手の手のひらの脇の部分をブリッジ付近に置いて、少し消音するプレイなんですけど、右手を使う煩わしさを回避するために「部品を付けてそれでミュートしてしまおう!」という「ミュート機能」なんです。両側のスイッチでそれぞれ1〜3弦/4〜6弦のミュートを操作できる事から「ダブルミュート機能」と名付けられた様です。
ミュートは様々なギタースタイルでプレイをする上で欠かせないテクニックです。それこそボクのギタープレイなんて、ミュート無くして成立しません。「ズクズクズクズク」と刻む音、それがまさにミュートの音です。
それではこの機能はボクみたいなギタリストにとっては最高じゃないか?そうお思いでしょう?ところがこれが全く使えません(猛爆)だいたいミュートかけっぱなしなんてことありませんからねwwwwwwいちいちスイッチなんか触ってやるもんじゃないんですよwwwwwwwwwwしかもミュートにもかけ具合ってものがあって、かける位置や力の具合で音が全然違ってくるんですよwwwwwwwwそれもミュートテクニックのうちなんですよwwwだからミュートっちゅーもんは機能でどうこうできるもんじゃないんですよねwwwwwwwwwこの機能を使って弾いた音なんてポリンポリンいっちゃってwwwwwwwwwwwwまるでうさぎのクソみたいな音なんですよwwwwwwwwwwwww
でもまぁチェットアトキンスのプレイを聴くと、この機能をつけた意味というか、つけたくなる気持ちはわかります。あの人たちの時代のミュートの使い方は、ボク達のミュートと同じようでいて若干違います。当たり前のことですが、ボク達が彼らの延長線上にあります。時間がたっていろんな奏法が出てきて、アグレッシブなギターサウンドが多くなっていく中で、この機能で対応できるような音は少なくなっていったんですね。恐らくカントリーギターなんかでは重宝されたんではないでしょうか。でも古い音源でも、この機能をフルに活かしたプレイは聞いたことないですけどね(猛爆)
そういった意味ではこの「ダブルミュート機能」、言っちゃ悪いですけど、まれにみる「クソ機能」ですwwwwwwwwブッ飛んでますよねwwwwwwwwww
でもね、そういう現代では使わなくなってしまった機能が現行品にいまだに残ってるって、それだけでおもしろいですよね(使う人も稀でしょうけど当然いるんでしょうけれどもww)!まぁスイッチの「モノとしての存在感」はすごく良いですしね。とても重厚、というか部品としての質がカッコいいんですよ。見た目にも案外大きなアクセントになってますしね。
この「ミュート機能」を採用しているのは数ある Gretsch のモデルの中でも「G6122-1962」と「G6120DC Chet Atkins Double Cutaway」だけです(「採用してるモデルが他にもあんのかよ!」っていうツッコミが聞こえてきますw)。たまにヴィンテージのホワイトファルコンについてたりもしますけれども、現行品ではその2つだけだと思います。
そしてボディーバックを見て下さい、大きな座布団みたいな黒いパッドがありますよね?これは一体なんずら??これは「ダブルミュート機能」の搭載と密接な関係にあります。
黒い座布団を外すと…ドドン!
ドドンってほどでもないんですが(猛爆)白いカバーが出てまいりました。黒い座布団はこれを覆うために付けられたと推測されます。
じゃ、じゃあ…ついでなんで…このカバーを外してみましょっか?(猛爆)
おおっ!なんと無防備な!中身丸見えじゃないですか!wwwwwww
しかしこの破廉恥な穴が「ダブルミュート機能」をつけるのに必要だったんですね。例えばレスポールなんかだとボディーバックにカバーが付いてて、外すとコントロール部分があったりします。しかし Gretsch の箱モノギターでボディーバックに加工がしてあるものはほとんどありません。かなり攻めた加工だと言えますね。
そしてこんなところにラベルが!
じゃ、じゃあ…ついでなんで…中も覗いてみましょうか?(猛爆)
穴からカメラを突っ込み、ネック方向を撮ってみました。アルミっぽい物質の薄い板バネが、ダブルミュート機能のスポンジの下部あたりまで伸びているのが確認できますね。これがスイッチと繋がってて連動しているんですね。まぁこれだけのものを仕込むためには、あれだけ大きな穴がボディーバックに必要だったのも理解できます。
それからブレーシングや魂柱などもない、完全なホローボディーだということも確認できます。
じゃ、じゃあ…ついでなんで…反対側も見てみましょうか?(猛爆)
もう完全にただのフェチ写真ですよねwwwwwwwwだってなにもないんだもんwwwwwwwwwただね、ボディートップ側に付けられている木のトーンバーが丁寧にボディーエンドまで伸びてるなぁって思ってwwwwwwwwwwww
余談ですけど、ボクのギターのメンテキットの中に小さなマグライトが入ってまして…それはこうやってギター内部を覗く時に照らす用なんです(猛爆)好きなんですよwwww箱モノのギターの内部を覗くのがwwwwwwwwww
代官山に「スリル・オン・ザ・ストリングス」っていうヴィンテージ Gretsch の専門店がありましてね、そこの店長の豊福さんという方がめちゃめちゃ Gretsch に詳しくてですね、本国の Gretsch がヴィンテージの部品を再現したい時とかに豊福さんを頼ったり、ブライアン・セッツァーさんのライブでは写真を撮ったりとか、強烈な方なんですよ。もちろんお店には貴重なヴィンテージ Gretsch が多数あります。
そこに神田商会の猪郷さんと重田さんと伺ったんですよ。もちろん豊福さんは入荷したギターを一回バラしてメンテして…っていう作業もされていて、伺った時にたまたまバラされた状態のヴィンテージ Gretsch があったんです。それに噛み付くくらいの勢いでボクと猪郷さんでマグライト片手に覗き見してたら、豊福さんが「中を見てそんなに興奮する人たち、見たことないですね(優しい笑顔で)」って言ったんです(猛爆)なんかこうやって書くと案外「良い話」みたいな気がしますけれども、言われた時は一瞬ハッとしましたねwwwwwwwww恥ずかしいというかなんというかwwwwwwww
話をまとめましょう。「ダブルミュート機能」を搭載したい → ボディーバックに大きな穴を開ける必要があった → 穴を白いカバーで塞ごう → なんかこれだけじゃ頼りないし、見た目も悪いね → 黒の座布団で養生しよう → おっと!バックル痕なんかも防げるし、見た目にも案外個性的でいいんじゃない?…こういう流れだと推測できます!
繰り返しになりますが、昨今のギタープレイではほぼ使い物にならない「ダブルミュート機能」、そしてそれを搭載するための副産物といえるボディー裏の黒いカバー。「もうやめりゃいいじゃん?」と思いません…よね?ボクは思いませーん。むしろこういうものを作り続けるところに Gretsch のギターブランドとしてのアティチュードを感じることができます。まぁなにしろビートルズのジュージハリスンのイメージも大きいですから、Gretsch もそこをすごく大切にして生産し続けている気がするんです。だってファンからしたら「あれがなきゃイヤだ!」、「あれと同じじゃなきゃイヤだ!」っていうくらいのものでしょうから。
あと、2つのボリュームノブと並んでる、謎の「スタンバイスイッチ」というのもついてます。…これは本当に必要ないと思うんですけどねwwwwwwwwwwチェットさんは必要だったんでしょうねw しかもジョージハリスンファンからしたら「あれがなきゃイヤだ!」、「あれと同じじゃなきゃイヤだ!」っていうくらいのものでしょうからねwwwwwwwwwwwwwwww
さて肝心のサウンドの方ですが…実はアンプを通して弾いたことは1回しかないんですwwwwwwwいや、正確には買った時に弾いたから2回かな(どうでもいいですよね猛爆)?1回 Ken Band の練習に持っていったんです。歪むは歪むけどあまりボクの好みの歪み方じゃなかったんで、あっさり持っていかなくなりましたwwwピックアップが純正のフィルタートロンなんで…それに先述した通り完全な箱、ブレーシングやセンターブロックもないので、やっぱり歪みには向かないです…。
でもその代わりにと言っちゃなんですが、生鳴りが最高なんですよ!アンプに通さない家弾きだけで十分っていうくらい、魅力的な音がするギターなんです。他のギターにはない、ポロンポロンっていう音がするんです。ボクは「鈴みたいな音」ってよく言うんですけどね。もうめーーーちゃめちゃラブリーな音なんですよ!「弾くと気持ちが幸せになる」、そんくらいの音がします。もしかしたらボクが所有するギターの中で、生弾きするのが一番好きなギターなんじゃないかな?それくらいラブリーな音なんです。
そのサウンドのポイントとして挙げられるのは大きく2つ、まずは「ゼロフレット」があること。それからブリッジがブラス製の「ロッキンバー・ブリッジ」であること。この2つがこいつの生鳴りの音色を方向づけてる気がします。
「ゼロフレット」というのはですね…ギターで開放弦を弾いた場合、音のキャラクターは「ブリッジとナット」で決まるわけじゃないですか?ナットが牛骨だったら、音には牛骨のキャラクターが入り込むわけです。しかし1フレットから上は全て「フレットの材質の音」になるわけです。逆に言うと「開放弦の時だけナットの音になるなんて…」となるわけです。
じゃあもっと分かりやすいように説明しましょう。開放弦をからめたコードのCを押さえましょう。6弦から順に、3フレット、3フレット、2フレット、開放弦、1フレット、開放弦、じゃないですか?「6、5、4、2弦はフレットの音なのに、3弦と1弦はナットの音」になるじゃないですか?…なんかわかりづらくなっちゃいましたかねぇ?(猛爆)
つまりwww「それを全部フレットの音に統一しようじゃねぇか!」っていう理屈なんですよ!wwたぶんwwwwwwwwwwwたぶんですよwwwwwwwそんな理屈だった気がしますwwwwwwwwwwww知らねぇwwwwwwwwwwwww
そしてブラス製のロッキンバー・ブリッジ。これ結構ズシリと重いんですよ。この材質の音は間違いなくあると思いますねぇ…。
この大きな2つの要素に加え、17インチという大きなボディーというのも見逃せないポイントですね。しかも中は完全なホローボディー。さらに言うと、ボディーバックに開いた穴も、要素としては何気に小さくない気がしています、実は。
もうね、いろいろブッ飛んでて最高なギターなんですwwwwww
さて…最後に「なぜこいつの名前が『ホノルル』なのか?」をお話しましょう。こいつ、ハワイのホノルルのお店で買ったんです(猛爆)
2014年の夏、横山一家はハワイに行きました。ボクは特別欲しい土産なんかもないから「ハワイでギターを買おう!」と画策していたわけです。そうすれば大きな思い出にもなるし、なにしろ滞在中に弾けるじゃないですか!しかも Gretsch がもともと持つイメージ…もちろんアメリカのカントリーミュージックやロカビリー、ヒルビリーというのが大きいとは思うんですけれど、ボクが思うに結構「Tiki カルチャー」とも近いんですよね。Tiki といえばハワイ…なんだかいろいろと辻褄が合ってきてしまいますwwwwwww
ネットでホノルルの楽器屋さんを調べていたら、観光地から外れたところに「Easy Music」なるお店を発見しました。そこの在庫を見てみると、数本の Gretsch が!Gretsch には廉価版のライン「Electromatic (エレクトロマチック、通称エレマチ)」というのがありまして、そのエレマチが数本在庫してありました。まぁね、レギュラーラインの Gretsch を買うとしたら30〜40万円してしまうわけですから、いくら思い出を込めたお土産とはいえ、ちょっと高いですよね…。エレマチってボクは所有してないんですけど、試奏はしたことありました。操作性も音も、レギュラーラインとそんなに変わらない…変わらないっていうと乱暴かなぁ…?ジェット系と箱モノ系とあるんですけどね、ジェット系は確かにちょっと…って感じはしました。でも箱モノ系は案外良いんですよ!そんなわけで、レギュラーラインの Gretsch の在庫も数本あったんですが、それよりも「エレマチの箱モノ」に狙いを絞っていました。
さて横山一家がハワイに到着して、時差ぼけグラングランの中で最初に向かったのは…海でもなく、ショッピングモールでもなく、素敵なレストランでもなく、「Easy Music」でしたwwwwwww家族をタクシーに押し込め、2〜30分は走ったでしょうか…完全に観光地ではありません(次男坊の桃士は当時5才)wwwwww運転手にも聞かれたんです、なんでそんなところに行くのかってwwwwだからボクは自分の夢を聞かせてやりましたwwwwwwww「オラはギタリストで、家族でのハワイ旅行でギターを買って、そのギターに家族との思い出をパックしたいんずら!」ってwwwwwwwwwwベトナム人だという運転手も「そりゃーグッドアイデアだ。地元じゃ有名な店だしな。」とのこと。そしてその運転手がいうには「でも帰りはどうやって帰るんだよ?あんな場所タクシーなんか走ってないぞ?」…いくらか払えば30分くらいは待っててくれるって言うので、待っててもらうことにしましたwwwそっか、帰りのことまで考えてなかった(次男坊の桃士は当時5才)wwwwwww
時間に限りができてしまったし、なんならこのままタクシーの運ちゃんに金を持ち逃げされてもおかしくはない、そんなシビれる状況で店内に入ると…かなりギターの数も多く、大きなお店でした。しかし…狙ってたエレマチが1本もないじゃないですか…(滝のような汗&次男坊の桃士は当時5才)!
しかしそこにあったのがこいつです。ネットでもこいつの存在は確認してたんですが、「これは無しだなぁ」と思ってたんです。だって上記した通り「完全にブッ飛んだギター」ですからwwwwwwwなにが悲しくて「F ホールが描いてある」ギターを買わなきゃいけないんですかwwwwwwww
まぁでもせっかくリスクを冒して(しかも結構なw)来たので、試し弾きくらいして帰ろうと、弾かせてもらったんです。
隣ではちょっと太ったおばさん(Tシャツ、短パンにビーサン、子どもを3人くらい帯同)がめっちゃ蛍光ピンクのギターを試し弾きしてます。しかも耳がもげるくらい下手くそですwwwwwwwww。そのおばさんに比べたらボクの弾くギター、まだ上手だったんでしょうね。店員さん(Van Halen 命)が話しかけてきます。
「日本から来たのかメーン?」
「そうずら。」
「ミュージシャンかメーン?」
「そうずら。」
「Gretsch いいだろメーン?」
「でも仕様が変わってるずらね。オラが持ってるグレッチとはノリが違うから…迷うずら。」
「だったらあれはどうだいメーン?」
そう言ってオススメしてくれたものは、50万はする代物…。とりあえず「ノーノー!」と言いましたwwwwwwwカミさんはボクに悲しそうな目線を向けます。ヤケクソになって買おうとするボクに「思い出にそれを買うてもええと思うけど…そんな高級なもん、飛行機で無理して持って帰って、途中の空港とかで折られたりしたら悲しいが?安いギターだったらもしアクシデントがあっても諦めつくけど…」と制します。そうなんです、カントリージェントルマンだって、全然安くはないんです。外を見るとイライラした顔で待ってるタクシーの運ちゃんが目に入り…運ちゃん、良いヤツなんだか悪いヤツなんだかわかんないそのキャラ、やめてくれよwwwwwwwwそしてだいぶテンパってきたボクは、とりあえず買うのを断念しちゃいました(猛爆)
でもその店員さんが良いヤツ(この人は間違いなく良いヤツ、Van Halen 命)で、「いつまでいるんだメーン?こっちにいる間にまた来いよメーン」と言ってマイクロフォンのブランドのTシャツをくれました。なんでマイク?wwwwwwww散々ギター弾いてたんだからwwwwwwwwwせめてギター関係の Tシャツにして欲しかったwwwwwwwしかも Tシャツ XL じゃんwwwwwwwwwwwでもこういうの、嬉しいですよwwwwwwwww
こうして横山一家はお土産のマイクの Tシャツ(バカデカ XL)以外何も持たずに、なかば放心状態でホテルに戻ったのでした(横山健の家族であるということは、こんなことにも付き合わなければいけないことを意味します)。
そして滞在中に再びそのお店を訪れるチャンスは巡っては来ず、ハワイでギターを買うという夢は実現せずに帰国しました。
まぁね、確かに帰りにどうやって持って帰るかとか考えると、実はかなり大変な手間になるところでしたね。確かに無茶だったかも…。桃士もまだ5才だったし(それは関係ねぇかwww) 確かに…。確かに…。
そんな感じで、胸にポッカリと空いた穴は、帰国後も全然埋まりませんでしたwwwwwwww
ネットを見るとまだあるんです。ボクは…試しにメールをしてみました(猛爆)
「前略、オラはこの前そちらに行ってグレッチを試奏した日本人ずら。Van Halen 命の人にはすごく良くしてもらったずら。ところであのグレッチ、…まだあるずらか…?」
すると「あるぜメーン!」との返事が!
ボクは確認しました、「あ、あのオラが試奏した、ま、間違いなくあいつずらか…?売れてしまって違う個体だと意味ないんずら!あ、あいつじゃなきゃ意味がないんずら!あいつには、か、家族との思い出が詰まってるんずらーーー!ほ、本当にあいつずらか…!?」
すると「間違いなくあいつずらだぜメーン!」との返事が!
「に、日本に郵送してくれるずらか…?」
「するぜメーン!」
カミさんに相談の後…結局ポチりましたwwwwwwwwwww
送料が結構高かったので、日本で同じものを買うよりも、結果的にずいぶん高くついてしまいましたwwwwwwwwwwwwwwwwww
このホノルル君、装備面で散々ブッ飛んでると書きましたが、一番ブッ飛んでるのは他ならぬボクの行動だったかもしれないですね!(猛爆)
2016/05/17