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 Yokoyama New Single [The Ballad] リリース特設サイト

Ken Yokoyama 配信シングル「RAIDEN GO」

guitar

No.48 Gibson Custom Shop Billy Gibbons ”Pearly Gates” 1959 Les Paul Standard Reissue VOS

name: Pearly Gates

キター!Pearly Gates (パーリーゲイツ)!!

こいつは、名器と呼ばれる「Pearly Gates」の、2009年リリースのリイシューモデルです。

ぼくのこいつの名前もそのまま拝借いたしました。

「Pearly Gates」というのは、ZZ Top のギタリストである Billy Gibbons を象徴する 1959 Gibson Les Paul Standard の愛称です。

Billy は1968年に、テキサス州ヒューストン近郊の農場にいた牧場主から、この 59年製の Les Paul Standard を250ドルで買いました。ハリウッドにオーディションに行く女友達に車を貸していたんですが、その250ドル相当の車で支払ったようです。その車の愛称が「Pearly Gates」だったので、ギターもそのままそう呼ばれるようになりました。

なんだかすでに映画のようですねw

その後 Pearly Gates は Billy のメインギターとして、ZZ Top の初期の名作アルバム達で弾かれています。「Tush」や「La Grange」、「Jesus Just Left Chicago」などの名曲で、そのサウンドが聴けます。

1958年から60年に生産された Gibson の Les Paul Standard は「Burst (バースト)」と呼ばれ、ギターの中では特別なんです。現在の市場価格は数千万から億超えするものもあります。数々の名演を残してきたから当然といえば当然なのですが……古いギターなので、仕様が現行のものとは全然違います。そうすると音も「究極のヴィンテージトーン」が出るわけです。そして、とにかく見た目が美しい!それらがバーストに更なる価値を与えて、もうほぼバイオリンの「ストラディバリウス」の域に達し……って Vol.37 で紹介した「H99」のところに書いてありましたwww

「バースト」という呼び方が定着したのは、岩撫安彦氏が書いた「The Beauty Of The Burst」という本の登場が決定的だったようです。Les Paul 愛好家の間では「聖書」と呼ばれている本です。これが登場したのが1996年とのこと。これを機に呼び方の定着もさることながら、人気や価値も爆発的に上がっていき、「バースト」は揺るぎないものになったわけです。

有名なバーストというと、真っ先に Led Zeppelin の Jimmy Page の「Number One」が挙げられると思います。それから現在 Metallica の Kirk Hammett がステージでも使用している「Greeny」。経年変化の際に一部に強い赤みが残ってトレードマークになっている「Red Eye」などなど……まだまだありますが、全て「世界の財産レベルである」と言えます。

Pearl Gates もそんな中の1本です。

そんな中の1本といいますか、むしろ現在のように情報がない時代に、すでに Pearly Gates は有名でした。「Greeny」も「Red Eye」も最近とは言いませんが、有名になったのは近年の話のような気がします。Pearly Gates は Jimmy Page の Number One と並び「’59といえばこれでしょ」と、一番最初に有名になったバーストだと思います。

そんな Pearly Gates のリイシュー、待ちわびていたファンが多かったわけです!

リリースされたのは2009年。’59 Les Paul の生誕50周年を記念して作られたようです (なるほど……1959+50=2009www)。

全世界で V.O.S. が250本、Aged が50本 (V.O.S./Aged とはなんぞや?気になる方はVo.41 の”R.R.”をお読みください)。そしてBilly Gibbons 本人のサイン入りの Aged が50本。合計たったの350本!それを日本だけでなく全世界で分けるなんて!

ぼくはこのリリース情報が耳に入った直後からゲットする気満々でした。ちょうど本物のバーストを諦めた時期でもあったんですよね……。そんな折に「Pearly Gates のリイシューが発売」なんて、まるで「元気出せよ」って言われてるみたいじゃないですか(誰に)。

これも Vol.37 で少し書いたのですが……90年代の終り頃に、本物のバーストを買うチャンスが2回ほどあったんです。すでに少しずつ値段が上がり始めていたんですが、当時はプレイヤーズコンディションの個体がまだ600万くらいだったと記憶しています。でも……手が出なかったんですよね。いまほどヴィンテージに興味もなかったので、「それだけ高い金額でギターを買っていいのか!?!?」と思ってしまったんです。まだ30才にもなる前だったので、600万をギターにかけるほど金銭的余裕もなかったんです。

その後多少の余裕が出てくるものの、比例するようにどんどんバーストは高くなっていきました。いつも「ちょっと勇気が必要な金額」をウロウロしてくれちゃってました。そして Pearly Gates リイシューが発売された頃、「本物のバーストはぼくが手を出すもんじゃない」と決断をした時期でもあったんです。

……ちなみにですが……この決断が正しかったのかどうかは、いまでもわかりません。それどころか、あれは「決断だったのかどうか」も怪しいですwwwwwww

本物のバーストを抱えると、いつも弾いてるギターとはまるで違う楽器のように感じます。音もそうなんですが、手触りやサイズ感が独特なんです。これって再現しようとしてできるものではないな、と直感でわかります。サイズも多少の違いや個体差はあるかもしれませんが、現行のものとそんなに変わりゃしないんですよ。しかしバーストには「何十年も弾かれて身につけた円み」があるんです。

しかし独特なのは形状だけじゃないです、だって形状はコピーできますもんね?ではなにが決定的に違うか、ちょっと危ないことを言いますが……あいつらもう「木工品じゃない」んですよ……もう「ギター」なんです……あらこれもVol.37 で全く同じ事を言ってる!!

そんなわけで……ぼくにとっては絶妙なタイミングでリリースされたわけで、このリイシューは無条件で欲しかったんでしょうねwww ギタリストって結局そういう生き物なんですよ(まるっと)。「本物のバーストを諦めるんだから、リイシューくらい買ってもいいじゃねえか」という、実にギタリストらしい心の動きですw

あーあ、どっかに手頃な本物のバースト、ないかなぁー(拾い食いしながら)。

さて、この Pearly Gates!!V.O.S. です! Vol. 41の「R.R.」の時にも散々「中途半端だ」とイジった V.O.S. です。しかも2009年に購入したということは……「R.R.」購入よりも1年早いじゃないですか!どうして Aged を買わずに中途半端な V.O.S. を買うんだ!まぁ Aged の方が圧倒的に本数が少なく、手に入りづらいですからね(テヘペロ)。

何の情報で知ったのかもはや覚えていませんが、予約して試奏しに行ったんですよ。渋谷のイシバシ楽器さんだったと思います。当然買う気満々で行きましたが……行くと Pearly Gates が3本並んでいて、その中から好きなのを選べるというじゃありませんか!!

3本とも試奏したんですが、あまり音の差はなかったように思います。そんなわきゃないんです。ただ舞い上がってただけでしょう。しかし……最終的に、ソファーか何かの上に並べて、ルックスで選んだ記憶がありますw

ちなみにですが、ギター好きの旦那さんや婚約者をお持ちの方、増えていくギターに金銭的にも保管場所の面でも心配されていることでしょう。そんな方が何かの拍子でこの文章を読んでいましたら、あなたにお伝えしておきたい大事なことがあります。それは……ギター好きの「買うかどうかわからない」は、絶対に信用しないでください!口ではそう言っていても、現地に向かう段階で、あいつら(ぼくら)の気持ちはもう決まっています!もうこれは病気なんですから!手遅れなんです!

いや、絶対に信用しないでください、というのは違うなぁ。正しくは「絶対に止めないでください」ですね。

写真を見てください!なんとも繊細な杢ですね……「H99」よりも杢が大胆です。上手く捕らえられなかったけど、なんといいますか……杢が深いんですよ。「H99」もそうなんですが、立体的というか 3D っぽいというかホログラム的というか。ニュアンス伝わって!中心部は細いタイガーストライプ、ホーン部分などはワイドフレイムと呼んでも良さそうですね、複雑に変化してます。

購入から17年もたっているので、色も変わったような気がします。本来はフェイドしたチェリーサンバーストなんですが、なんだかブラウンバーストがフェイドしたようにみたいに見えるのは気のせいでしょうか?赤の褪色が始まっているんでしょうね。このへんの色味の形容のし難さも、Les Paul の魅力のひとつです。

こいつのおもしろいのは、ストップテイルピースです。Billy Gibbons は、弦をテイルピースの反対側から通します。つまり弦がテイルピースの上側を通りわけです。この張り方を「トップラッピング」と呼びます。弦の角度が緩やかになり、テンション感が柔らかくなります。

こいつも購入以来、ずっとその弦の張り方をしていたので、テイルピース上部にその痕跡が見られます。

ぼくはこいつをほとんど弾いていませんでした。しかし今年の頭にピックアップを Seymour Duncan の JB に交換して、ライブ仕様にしました。その時に、弦の張り方もレギュラー方式にしたんです。恐らく弾いているうちに、このテイルピース上部のトップラッピングの名残りも薄くなっていくことでしょう。

シリアルは BG 162。めちゃくちゃキレイなコンディションを保っておりますが、ライブ仕様にしてから練習で弾くようになり、少しだけ打痕がつきました。

なぜ大人しく保管していたこいつを人前で弾こうと思ったかと言いますと……「R.R.」を10年以上寝かせた後に弾いたら、ものすごく音が良く、あっという間にメインギターとなりました。その経験上「こいつもいつかは……」と狙っていたわけです。

理由はもうひとつあります。それはですね、ネットで「R.R.」と「Pearly Gates」の値段が高騰しているんですよ。購入時の値段を遥かに超えた値段で取り引きされています。それを知ったぼくは「市場価値が高いなら、パーツ変えて使うべ!」、高額な値付けがされるのは、あくまでもコレクターの方が保管しているような、新品同様のキレイなコンディションの個体に限ります。ぼくは手放すつもりもないので、キレイに保管していても、ただの宝の持ち腐れになってしまう。人前で弾くに限る。そんな理由です。

オリジナルのピックアップは、Billy 本人も使用している Seymour Duncan の「Pearly Gates」。Gibson が他ブランドのピックアップを搭載してリリースするのはかなり異例のことと言えます。力の入り具合が伺いしれます。

オリジナルピックアップ搭載時に出した音の印象は、たしか「Best Wishes」のレコーディングでオリジナルのままのこいつを弾いたんだよな。なんの曲だっけな?「Save Us」だったような気がします。ミドルハイあたりが強くて全体に粘り気がある、かなり独特なものでした。JB に交換して、その感覚が損なわれるかと思っていたら、意外なことにあまり損なわれませんでした。

ふしぎなもんですね……ピックアップのキャラクターによって音は大きく左右されるはずですが、良質なギターは、例えモディファイをしてもあまり揺るがない、いわば「そのギターの声」をちゃんと持っているんだなと実感しました。

こいつ、もうデビューしたんですよ!

今年6月の Ken Yokoyama の渋谷 Quattro での The Birthday とのライブ「SHIBUYA CLUB QUATTRO 38th ANNIVERSARY Our Chef’s Choice」で初登場しました!

それから今年は Hi-Standard で Fuji Rock Festival 2026 に出演したんでが、その1週間前の新潟で「Night Before Ski Resort」と題したライブを急遽やったんです。ついにそこでもプレイしました。サウンドエンジニアは「歌の背後でもしっかり収まって、良い存在感を持つサウンド」と評してくれました。

肝心の Fuji Rock では出番はなかったんですが、今後の活躍に期待です!

近年ぼくは、Gibson の Les Paul Custom を好んで弾いています。オールマホガニーか、’74 のようなパンケーキ構造のギターばかりです。ギャリーンと鳴ってくれるのが気持ちいいんです。メイプルトップのギターのサウンドは、それに比べて太いんですが、少しおとなしい印象もある。

しかしバンドサウンドって「ギターだけバコーンと鳴っててくれりゃいい」だけじゃない場面ってあるんですよ。特にハイスタは3ピースなんで、そういったところの加減が難しく……そのぶんギターのチョイスも楽しかったりするわけです(そのぶん難しいって言うかと思ったでしょwww 楽しくてしょうがないですよw)。

メイプルトップのギターというと、ぼくの場合 Navigator の「Honey」が有名です。しかしこれもふしぎなもので、Gibson と Navigator じゃ音が違うんですよ。似たような材質で似たようなサイズ感で、似たようなパーツを使っているギター、それなのに明らかにサウンドが違います。明らかにサウンドに「ブランドのカラー」があるんです。当たり前のことなんですが。

これはどちらが優れているとかそういうことではなく、「サウンドが違うのだから、その時のモードで使い分ければ良い」と考えています。近年は Gibson サウンドがピッタリきてしまっています。

あらためて……こいつを通じて「Gibson の本気」を感じました。当時は「ヒストリックコレクション」を展開していたはずですが、展開し始めて「100本以上のヴィンテージを解析してきた」、その熱量がこのギターに注がれている感じがするんです。技術的にも円熟の域に達していたのでしょう。

しかしこいつにはまた別な視点があって、「1本のギターを緻密に分析し、忠実に再現した」ものなんです。有名なバーストのリイシュー、例えば近年話題の「Greeny リイシュー」のリリースなどにも大きく繋がったことでしょう。

考えてみれば、こいつは Aged ではありませんが、Murphy Lab 立ち上げへの布石としての意味合いもあるような気がします。だって少量ではありますが、Pearly Gates も R.R. も Aged が作られ、高い評価を得たんですよ。過渡期でもあり円熟期でもあった、そう考えるのもめちゃめちゃ楽しいですね。

様々な展開をみせる Gibson、その今後もファンとして楽しみです!

2026/8/12

No.48 Gibson Custom Shop Billy Gibbons ”Pearly Gates” 1959 Les Paul Standard Reissue VOS / name:Pearly Gates
  • No.48 Gibson Custom Shop Billy Gibbons ”Pearly Gates” 1959 Les Paul Standard Reissue VOS
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