No.26 Grestch G6120-KOA FSR Chet Atkins Hollow Body
name: Uri-Bow
9本目の Gretsch の紹介です。愛称は「Uri-Bow」、日本語で書くと「うり坊」です。「うり坊」とはなんぞや?どうやらイノシシの子どもをそう呼ぶらしいです。
なんでこいつの愛称が「うり坊」になったかといいますと……だってパッと見がうり坊みたいじゃありません?wwww 同意を求められても困りますよね!wwww ボク、会話の途中で相手に無意識で同意を求める癖があると、つい最近指摘されて知ったんです(この年でも発見がいっぱい!wwwww) なので同意は求めません!
ボクにはうり坊に見えたんですよwwwww
じゃあ実際のうり坊を見てもらいましょう。
ドン!
どうなんですかねwwwww ボクにはそう見えたんですwwwww しかも「うり坊」っていう名前を付けられてしまうギターなんてかわいいじゃないですかwwwwwwwww
さて本機を紹介していきましょう。このうり坊に見える色合いと模様、「ハワイアン・コア」という木を使っているのです。アコギではたまにありますが、エレキではほんと極々稀ですね。弦楽器ではウクレレで使われているのが有名です。なので若干アタッキーな音がすると言われています。
とは言え、まるまる全部をコア材で作っているわけではありません。コア材って希少材ですから、こんな豪勢に使えるほどの大きさのものはありません。あっても値段がいくらするのかゴクリ……ということになってしまいます。
なので合板にして、一番上にコアが貼ってあるんです。
しかしコア材というのは綺麗ですね!メイプルと同じく、杢が特徴的なんですね。もちろん杢が出ていないコアもあります。しかしボクの「うり坊」の杢の出方ったらもう……ため息が出るほど美しい。もはやギターじゃなく家具ですね!wwwwww 部屋に置いてあるだけで気分が良い!!ww
これだけ表面積が広く、なおかつ杢が美しいコア材を確保するのは大変だったことでしょう(他人事ながらしみじみ……)
ギター自体は Gretsch のチェットアトキンスモデル、いわゆる 6120 。「6120 をコア材で作った」というギターがこいつです。
さあさあ、写真を見てやってください。幅16インチ、厚さ2と1/2インチという 6120 を踏襲したサイズ感。ヘッドまでコア材が使われているのがイカしますね!コア材とホースシューのインレイの組み合わせなど、勝ちの匂いしかしません(誰の勝ち負け??) しかもハードウェアが全てゴールドパーツ!ゴールドでもイヤらしい感じがしないのはコア材とのマッチングなんでしょう。そこまで高級感ないですもんね……いや、高級感はあるかw
ネックは指板がエボニー、ネックはメイプルだと思われます。ネック裏にもメイプルの杢が出ちゃって……なんて杢フェチ泣かせのギターなんずらか……(嬉ション)
ボクが着目する特徴的な部分が2つ。1つ目は中の魂柱。ひとつ前に紹介した「Mr. Fred」と同じく、完全にフルアコースティックギターと呼ばれる構造です。アタッキーでありながなも豊かな箱鳴りが楽しめます。
2つ目はクリアのピックガード。これね、色がついたツブシのものだったら台無し、いや、台無しは言いすぎかな(汗)、隠れる部分がもったいない!せっかくここまで綺麗に出ているコア材の杢がもったいないと思うんです。なのでクリアピックガードは大正解だと思います。
うり坊のシリアルナンバーは JT15061850。2015年6月製ですね。ボクが入手したのが2015年6月。もんげー!市場に出る前にゲットしてしまっていたんずら!!!
なぜこんな荒業が可能だったかといいますと、ボクの Gretsch 仲間が企画したので、発売前に「1本買うから取っておいて!」と懇願してたんです。「コア材を使った 6120 を作る」と企画段階から知ってましたし、間違いなく綺麗なギターになるってわかってたので予約しちゃいました。
それでね、受け取りに行ったんですよ(ヒソヒソ) そしたらね(ヒソヒソ) これ確か16本しか作らなかったんじゃないかなぁ(ヒソヒソ) その16本がね(ヒソヒソ) 一同に会して検品を受けている場面に遭遇してしまったんです!!!コア材の 6120 が一同に会している様子は圧巻そのもの!そして!!ということは!!つまり!!ボクは現存するこのシリーズの全固体と会っているんです!!!もしこれを読んでらっしゃる方で「わたしも同じのを持ってます」という方がいらっしゃいましたら、ボクそいつに会ってますよ!!!!
……すいません、このノリってもはや事故レベルですよね。でもギター好きってとかくこういうもんですよね?(ここは同意を求めますwwwwww)
あとね、興味深いことに……全く同じ時期に北米の某有力ギターショップが、やはり FSR (ファクトリー・スペシャル・ランの略。試作品などとは違う、少数ロットの特注品) でコア材の 6120 をリリースしたんですよ……。日本企画がどこかで漏れて「ウチもやっちゃうぜメーン」ってなったんですかねぇ。
しかし北米バージョンは使用が若干違うんです。
1. ネック裏のカラーがジャガータン
2. ピックガードがクリアではなくゴールド
3. ブリッジがチューンオートマチックではなくバーブリッジ
4. トーンポット付き、トーンスウィッチは無し
こういった違いがあったと思います。北米物の実物は見ていませんが、ネットでバッチシ確認していました。
好みで分かれるところですが、ボクはカラーや仕様など「友人企画」の方に一票ですね!……バーブリッジは若干「よ、良いかも」とか思っちゃいますが(汗)
しかしこの時期の、この前後の数年ほどの Gretsch の FSR は魅力的なもの、おもしろいものが多かったです。レギュラーのラインナップとは違った、どれも「おお!」と唸るポイントを持っていて、出来るたびに全部欲しいって思ったもんです。
先述したようにボクの友人が企画だったので、ボクのところにもよく「こんなの作るよ」って話が入ってきたんです。その友人も辞めてしまい、Gretsch FSR の新作の話なども聞こえてこなくなってしまいました。新しい FSR 全然見なくなったなぁ……話に聞かないだけで今でも製作してるのかなぁ? いずれにせよ、元気なくなっちゃった感をボクは感じてしまいます。辞めてしまったボクの友人の情熱がすごかったから、それに匹敵する熱量でやれる人がいないってことかもなのかもしれないですけどね……残念です。
ギターって、傍から見てても、手間ばかりかかって全然ビッグビジネスじゃないんですよ。売値は高いですけど(ボクも買う時は毎回清水の舞台から飛び降りてます)、製造費が高い上に、なにせ生産本数が少ない。これだってたったの16本ですよ!?全部売れたって儲けなどたかが知れてます。
商売なのだから儲けの計算はマストですけど、甘っちょろいかもしれませんが、当時の日本の Gretsch の関係者にはそれを上回る夢や情熱があったなぁ。それがとても眩しかったし、接してて気持ち良かったし、ボクは好きでした。
あれ?なんでグチ回想してんだろ!?!?
グチで終わるのは良くないから、ガクーンってなる話で終わりましょっか!w
ボクねぇ……うり坊ねぇ……一回もアンプを通して弾いてません!!wwwwwww (皆さん予想済みですよねwwwwwwwwww)
だって仕様がねwwww 歪んだ音にどうしても対応できるもんじゃないんですよwwwwwww じゃあなんで買ったのかって?綺麗で欲しかったからですwwwwwwwwww
家ではアンプに通さずよく弾いてますよ?(言い訳汗汗汗) コア材について、アタッキーな音がするとはいえ表面に貼ってあるだけなので、そこまでキャラクターは出ないと思ってたんですよ。
しかし、生弾きの音もやはり若干アタッキーです。おもしろいですねぇ、ギターって。なんでちょっとしたことでこんなに音や印象が違うんでしょうか?
Gretsch の 6120 などの箱モノはテンション感がそれほど強くないんです。でもアタッキーな音がするからか、テンション感も強く感じます。ただの印象かもしれませんが、これもとても不思議。
まぁね、これだけレアで綺麗なギターだったら、弾かなくてもインテリアとしてねwwwwwwww 置いてあるってだけで充分だと思いますwwwwwwwwwwwww
2019/11/21