No.25 Gretsch G6120RHH Reverend Horton Heat
name: Mr. Fred
8本目の Gretsch です。こいつの名前は「Mr. Fred」といいます。Gretsch の社長 Fred Gretsch 氏から名前をいただきました(……もちろん勝手にですけど)。
あちこちでお話ししてますけど、2015年の3月に Fred Gretsch 氏とのミーティングが実現しました(一つ前に紹介した「Joe」のところもご参照ください)。その時に撮った記念写真で Fred 氏が手に持っていたのがこの個体です。
購入はその直後の5月、Ken Band 6枚目のアルバム「Sentimental Trash」の完成の頃だと記憶しています。
ミーティングの直後にはもう購入するつもりでいましたね……。神田商会の猪郷さんに「写真撮った時に社長が手にしてた個体、買います!」と宣言してた覚えがあります。実りの多かったこのミーティングの記念に、とも思ったんですが、元々このモデルにすごく興味があったんですよ。なんとなく「いつか買うだろうな……」と漠然と考えていたところにこの記念撮影だったので、すぐにすぐ必要なわけではなかったのですが、「どうせ買うなら!」的な勢いがついての購入となりました。
こいつは Reverend Horton Heat(レヴァレンド・ホートン・ヒート)のギタリスト、Jim Heath のシグネイチャーモデルです。
Reverend Horton Heat とは1985年から活動しているテキサス出身のバンドです。ロカビリー/サイコビリーと括られることの多いバンドですが、カントリー、パンクロック、ジャズ、サーフロック、スウィングなど様々な音楽の要素が入り混じった独特の音楽性を持っています。ちなみに1st アルバムはなんとあの Sub Pop からリリースしていますが、これが案外 Reverend Horton Heat のボーダレスな音楽や活動を端的に表してると言えます。ちなみにボク、アルバム全部持ってるほど好きです。
ボクにとっては Jim Heath のギターって、好きだけどコピーしたくなるような感じではないんですよ。Setzer さんほど派手さがないからかなぁ?でもすごく好きなギタースタイルなんですよ。おもしろいですよね、そういうのって。なんかわかる感じしません?……しませんよね。でも皆さんそういうギタリスト、いません?好きだけどなんか特にコピーしてみたいと思わないギタリスト、いません?……いませんよね。
さて、肝心の仕様の方を見てみましょう。
サイズは16インチ幅で、厚さはなんと2 3/4 インチ。分厚いですよー。フルアコはこのボディー厚がサウンドの肝でもあります。1/4 インチ違うだけでサウンドが全然変わるんです。
あともう一点、構造上の観点でサウンドメイキングの肝になるのがブレーシングですね。カメラを F ホールから入れて、内部構造を探ってみましょう……なんと!ブレーシングがないじゃないですか!真ん中に木が一本立ってるだけですね。これを魂柱(こんちゅう)といいます。音の伝達もしますが、ギターのボディーのトップとバックを支える役目の方が大きい感じがします。
ボディートップには特徴的な G マーク入り!ヘッドとネックにはウェスタンモチーフを採用、Bigsby はマイナスネジ付きの……これは Duane Eddy ハンドル・アッセンブリーになるんですかね?ヘッドもデカヘッドです。
このように、ギターの構造自体はかなりアナログ感満載ですし、ヴィンテージ Gretsch へのこだわりも見えてきます。パーツ類を考慮しなければ、55年あたりの 6120 に近いんでしょうか?
さてパーツ類を見てみますと……ここが現代のプレイヤーに対応したものになっているようです。
ピックアップには TV Jones Classic を搭載してます。ペグはシュパーゼル(現行品はゴトーのロック式を採用しているようです)、木台のブリッジはピン止めしてあります。このあたりが現代のライブ仕様ですね。
つまりヴィンテージルックスでありながらも、激しいライブ環境にも対応できるギターといえるのではないでしょうか。
ラベルやヘッド裏をみると、シリアルが JT12112470 と記してあります。こいつは12年製ですね。
ちなみにこいつ、人前で弾いたことありません(猛汗)。家ではめちゃめちゃ弾くんですけどね。ハイスタの「The Gift」のレコーディング、コーラス録りの時にメロディーラインを確かめる用に持って行ったんです。その時にインスタのストーリーを撮ったんですが、そこで持ってたのがこいつです……ずいぶんマニアックな話になってしまいました。
もう言い始めて何年経つかわかりませんが、いずれオールディーズばかり演奏するパーチーバンドをやりたいんですよ。あと数年は無理かもしれないですけどね……Ken Band の新作のことも考えなきゃいけないし、ハイスタだってまた何かするかもしれないですし……は!BBQ CHICKENS!!(猛汗)
まぁやろうと思えばやれないことはないんですけど、楽しんでやりたいですからね。時間に追われて頭の中パンパンにしてやるようなもんでもないって考えてるので、いずれということでね。
ボクが所有している Gretsch は Ken Band や Hi-Standard のライブでも使えるように、出力の高いピックアップを搭載したり、なにかとハードにアップデートしています。
なので……念願叶ってパーチーバンド組んだ時に、こいつを始めとした、Ken Band などで使っていない Gretsch のギター達が火を噴くんじゃないでしょうか! 乞うご期待!
2018/01/09