No.14 Gibson Memphis ES-355 Bigsby VOS 2015 Olive Drab Green
name: Patrick
オリーブグリーンが激シブな Gibson ES-355 の Patrick(パトリック) です!
まず、なんの予備知識もなくここをお読みの方にご説明申し上げましょう。このギターはぼくが「こういう 355 ないですかねぇ…?」と Gibson Japan の栗田さんに訊いたところ、「現状ありませんが作れるかどうか訊いてみます」と返答を受け、それがあっという間に商品化されるところまで行ってしまったという経緯があるギターです。簡単に言うと、オレのリクエストで出来上がったギターなんです!
もうちょっとちゃんとした説明できないかなぁ…?やっぱりここはまた栗田さんにご登場いただいて、このギターの説明を、よりプロフェッショナルにしていただきましょう!
栗田さーん、このギターができた経緯を教えてくださーい!
「何かオリジナル・ルックスの355を作りたいというコンセプトから出てきた100% Ken Yokoyama 氏のアイディア。当初、日本向け限定モデルとして国内独占で販売する予定であったが、そのアイディアをファクトリー側が大いに気に入り、さらにプロジェクトを知ったUS、EU市場の営業担当が熱望し、最終的に日、米、EUでリリースされたモデル。
基本構造はフレディと同じ。と言っても、指板にダークローズウッドを使用。最新2015モデルなので、テフロン加工済チューブレス・トラスロッド、ハイ落ちをなくす新型キャパシター、18:1レシオの精度の高いチューニングが可能なグローバーなど、最新仕様ならではのモデイファイが行われている。ピックアップはロックからジャズまで幅広く使えるように、オールマイティな57クラシックをあえて採用。
2015年限定モデルのため、一度市場からなくなった後は入手困難な希少機種となると思われる。」
…なるほど、オレは色のリクエストしかしませんでしたww やっぱりしっかりと2015年仕様にバージョンアップされてるんですねぇ!
なので栗田さんは「100% Ken 氏のアイディア」とは言ってくれてますが、オレの思いつきと Gibson Japan、そして Memphis の情熱とアイデアを集結させた賜物だと思います。色はリクエストしましたよ?あと Bigsby をつけて欲しい、でも逆にそれくらいなんじゃないかなー?
コラムに詳しく書きましたが、改めて説明します、重複する部分も多いですがご容赦下さい。Freddy があまりにも良いギターで、Freddy に何かあった時のためのバックアップを探していたんですよ。ウェブでいろいろ見漁ってたんですが、ES-355 のバリエーション…機能面でのバリエーションは豊かなんですが、カラーがどうしても数パターンになってしまう。Freddy のような Cherry 系か、ブラックか、ナチュラル、タバコっぽいサンバーストか…。そんな折にアメリカ本国の Gibson のサイトで「クリス・コーネル・モデル」を見たんですよ!それは ES-335 だったんですが、Bigsby も搭載してて、めっちゃカッコいいカラーリングが採用されていたんです。バキューンと目に飛び込んできまして。そのカラーが「オリーブグリーン」だったんです。栗田さんに「あれ、日本にまだ残ってたりします?」と訊いたところ、すでに完売済みとのことでした。ちょっとガッカリしていると「日本企画で作れるか考えてみましょう」と言っていただき、あっという間に企画が進行していきました。その進行していく中で、Gibson としても2015モデルならではの仕様をぶち込んでくれていったようで。
クリス・コーネル・モデルはピックアップにフィルタートロンを採用していたり、コントロールノブもかなり個性的なものを採用していました。しかし Patrick はオリーブグリーンをカラーを前面に出しつつも、他の装飾部分はオーソドックスな ES-355 のもので統一、しかも渋さを出すためにペグや Bigsby というパーツには研磨して「てかり」を抑えてある。そして内部回路は2015年仕様…かなりいろいろな良いところを良い感じでかき集めることができたギターなんですね。
これはオレも実感として思うものなんですが、ES ユーザーは案外オーソドックスなものを求める。カラーの部分でも、あまり突飛なものは受け入れられないんじゃないか?と感じてました。でもそこがオレにとってはチャレンジであり、ワクワクするポイントだったんです。
結果的に、栗田さんも説明してくれていましたが、アメリカも EU も興味を持ってくれて、ワールドワイドでのリリースとなった…結構すごい出来事だなぁと思いますw
さあ、写真も見てもらいましょう!さすがにできあがったばかりのギター…オレの手元に来たのは2015年、今年の3月でした。なので使用感はあまりないです。とはいえライブで数回使いましたし、「Sentimental Trash」のレコーディングでも数カ所使用してます。「Maybe Maybe」のベーシックはこいつで録ったと記録してあります!
シリアルナンバーは 10685730、ヘッド裏の写真を見ていただければ分かりますが、印刷じゃなくて押し印のようになっているんですね。これもまた新しい感じです。見た目で新しいところといえば、トラスロッドカバーにも f をひっくり返した形が刻まれています。これが Memphis の新しいトレードマークらしいです。
まぁしかし…めちゃくちゃカッコいいギターですよね(完全なる主観ですがwww)装飾類の高級感ももちろんなんですが、バインディングのクリーム色がくそかっけー!それとね「横山がチョイスしたオリーブグリーン」がね、最高のマッチングなんですよねー!「横山チョイス」がね(大事なことなんで二回言いましたww)!
ボディーにもハードウェア類も一回ヤスリがけされた様な味が入れてあって、クリーム色のバインディングも相まって、ヴィンテージ感を出しているんですねぇ。それで味の入ったシルバーパーツの、これまたシブいこと!やっぱオリーブグリーンにはシルバーが合いますね!ここはゴールドじゃないんですよね!
そうそう、このギターは指板が2種類あるんですよ。Patrick はダークローズウッドでもちろん商品化されていますけれども、リッチライト指板の仕様も商品化されています!
「リッチライト?なにそれ?初耳だなぁ」という方々いっぱいいらっしゃるでしょう。もちろんそれも栗田さんが説明してくれました。
「リッチライトとは合成材。近年、漆黒のエボニー材の流通量は減る一方であり、ギブソンの規模の生産量で、良質かつ見た目の良いエボニーを安定確保することが困難なため、同材が使用されている。純粋な木材ではなく、エボニーと同一のトーンではないが、けして木材に劣るトーンではないという意見が大多数」だそうです。なるほど、エボニーの代替素材なんですね!
ちーなーみーにー、ホントちなみになんですけど、オレもリッチライト指板の方も持ってます!しかし、まだちゃんと音を出したことないんです…。非常に申し訳ないです。ちゃんと音を出して理解したら、名前とともにこのページにて紹介します…というか、もう誰も読んじゃいないですよね(猛爆)だってメール全然こないもんwwwwwwwww
最後に、新品の Patrick の話なので、よく言われる「新品は音が若いと言われることが多い」ということについて、栗田さんにプロフェッショナルな分析をいただきましょう!
「ギターはファクトリー出荷後、使われていくうちに、塗膜が完全に乾燥し、木部が硬化し(特にネック)、パーツの組み込み状態のあたりがでてくるなどして、演奏との相乗効果で鳴りが向上していくと推測できます」とのこと…。なるほど、全横山が納得しています。
上記のことを踏まえて、これから20年、30年かけてこいつを弾き込んで、「Patrick にしか出せないサウンド」を獲得できたらなぁなんて思います!まぁオレが生きてればの話ですけどね(猛爆)
2015/8/24