No.13 Gibson Memphis ES-355 VOS w/Bigsby Faded Cherry
name: Freddy
Freddy です。Gibson ES-355 のフレディーです。もちろん ES の名手「Freddy KIng」から名前を勝手にwいただいております。
335(サンサンゴ)と355(サンゴーゴ)は字面で見るととてもよく似ているので、活字として読む時には注意が必要です。こいつは355(サンゴーゴ)です。
Ken Yokoyama 6枚目のアルバム「Sentimental Trash」のレコーディングではエースとして活躍しました。アルバムの随所で、バッキングで、ギターソロで、こいつのサウンドが聴けます。
シリアルナンバーは「CS 051615」。ヘッド裏部分にはカスタムショップのロゴもあります。「Gibson Memphis なのになんでカスタムショップのロゴが?」とお思いでしょうが、それはまた後ほど説明します。
2013年に Gibson Japan の栗田さんという人と縁ができて、いろいろ相談にのってもらい始めました。Freddy を入手したのは2014年の春前といった頃でしょうか…。実はこいつを入手する半年ほど前に ES-335 を入手したんです(そいつにはチャックという名前がついてます)。そのチャックがオレを「箱モノギター」の世界に引きずりこんだワケなんですが…入手して楽しく家弾きしてしばらくした頃、突然チャックに「Bigsby つけたいなぁ…」と思い始めたんです。チャックはストップ・テイルピースなんです。「Bigsby 付けようと思っているんですよねぇ…」と栗田さんに相談したところ、「ちょっと待ったー!ストップ・テイルピースにはそれならではの良さがあるので変更しない方がベターでは?」とアドバイスを受けました。それでどうしようかマゴマゴしているオレに栗田さんが紹介してくれたのがこいつ、Freddy です。
どうやらこいつは日本でプロモーション器(関係者のインプレや、雑誌の撮影、試奏等に使われる)として GIbson Japan の倉庫に長期保管されていたらしく、オレのところに来た当初から若干弾き込まれた形跡がみられました。当然音も新品のような若さはなく「即戦力状態」でした。チャックはライブで使ったことない…いや ember にゲストで出て1曲プレイしたのはチャックだったなぁ。Ken Band のライブで初めて使った箱モノは Freddy ということになります。2014年の Satanic Carnival や京都大作戦ではこいつを弾いてましたね。
もう見た目は鉄板中の鉄板ですよね!Faded Cherry に貫禄がありますし、ヘッドのダイヤモンド・インレイや7層のバインディングなどのディティールも 355 ならではの豪華さ!それにゴールドのハードウェアが映えてます。正直言って…「100% イケてます」(猛爆)搭載ピックアップは Gibson の 57 Classic です。オレ、こいつのトップに、特にケツの方に現れている、独特の広めの木目がすごく好きなんですよねぇ…。
音もオレにとっては、レスポールとさほど変わりません、変わらないというと乱暴かなー。もちろんソリッドと箱モノじゃ違いますけど、案外思った以上に近い使い方ができるという意味で、さほど変わらないんです。箱モノだから少しはハウりますし、環境によってはヒスノイズみたいなものも出ちゃうときもありますけど、それもそんなにコントロールできないほどかというと全然そんなことない。だからオレは「太くてゴツッとしたサウンドが欲しいときはレスポール、シャープさが欲しいときは ES-355」という使い分けをしています。これ、なかなか箱モノってだけで避けてしまっている皆さんにもオススメです!
写真を見てもらうと、ちょっと分かりづらいかもしれませんが(写真がヘタクソなんでw)結構な使用感があります。右側のホーンのアーチ部分にはヒビがイってます。でも栗田さん曰く 335 や 355 はそこにヒビが入りやすいらしく、そういえばヴィンテージ物でもそうなっているのをたまに見かけます。
どこから使用感を一番感じるかというと…Bigsby のネジのサビですかね(猛爆)でも結構強烈なサビ方してません?あ、この Bigsby は「B7」と呼ばれるタイプで、テンションバーがついてます。これ…慣れるまで弦を変えるのにかなり手こずるんですよねぇww まぁ慣れりゃ全然どーってことないんですけど、最初はオレも良く「バイーン」ってなってましたwww 音の面で考えると、オレ個人的には、このテンションバーがかなりの肝な気がしています。むかつくけど、かなり大事なパーツです(猛爆)しかしもはや Bigsby の無い355は売れないというまでの現象が起こっているらしいですよ。そういった意味じゃ、ES-355+ Bigsby というのは「鉄板な組み合わせ」になってきているんでしょうね。
この際なので栗田さんに ES シリーズについていろいろと質問してみました!まず現在の GIbson Menphis での ES シリーズの工法について質問すると、ものすごく楽しい、というか興味深い、というかギター専門誌やウェブサイトでも見ない限り知れない情報をゲットできました!
「トップとバックはそれぞれ、メイプル+ポプラ+メイプルという3枚の薄い板のラミネイト。それぞれに接着剤をつけて3枚重ねにして、そのままホットプレスと呼ばれる熱処理で圧着と成形を同時に行うマシーン(タイ焼き器みたいなイメージ)にいれる(焼き上がりの形を変えるときは、型の部分のみを入れ替えて、335、175などと使い分ける)。特にESは、エレクトリック・スパニッシュという名前とおり、アコースティックギター(木工部→ボディ内部のインナー・ブレイシング、リム部の補強の取り付けなど)と、エレキ(ピックアップ、ポット、コンデンサーなど電装部品の配置と配線)のいずれの生産工程もありますので、特に時間がかかります。その製造方法は皆さんのイメージ以上に人の手がかかっています」とのことです。なるほど…そりゃ豪華だし値段だってかなりするわけですね(小並感)…今回の話とはまるで関係ありませんが小並感って「子ども並みの感想しか言えない」ってことらしいですねwwwwwww あと ES が「エレクトリック・スパニッシュ」の略だったって初めて知りましたwwww これは笑い事じゃなく、ちゃんと知っておくべきことだったかも知れないですけどね。まぁいいじゃないですか、笑いましょうよwwwwwwww
しかしオレはそのへんの子どもと違って、ものすごい情報を仕入れましたよ!ボディートップ&バックのホットプレス・マシーンについて訊ねたところ驚きの、というか歓喜の事実が!
「ボディトップ&バック用のホットプレス・マシーンというのが、ギブソンには1台しかないので、(最昔)カラマズ―→(中間期)ナッシュビル→(現在)メンフィスと Gibson の歴史上、ずっと同じものが使われている。ということは BB & Freddy King、クラプトン、カールトン、他数多くのミュージシャンが使ってきた ES は全部このマシンから生み出されたもの」だそうです!!つまりオレの ES もあなたの ES も、偉大なる先人たちと全く同じ機械で、同じ思いをして生まれてきたわけですよ!すごくないですか、それ!?さぁ、なんとなく今まで ES シリーズに手を出そうか出すまいか迷っていた貴兄、今ならまだ間に合いますぜ!!
最後にヘッド裏のカスタムショップ・ロゴの謎を栗田さんに訊いてみました。
「このころは、Gibson Custom の傘下に Gibson Memphis の存在があったためです(2000年に Memphis Factory が稼働し始めた当初、製品開発、クラフツマンの育成、生産ラインの確立など、Gibson Custom の監修下でオペレーションが行われていた)。2013年からは独立、単独ディビジョンになりました」とのことです。
…じゃあ逆に ES-355 にカスタムショップのロゴが付いている Freddy って、Memphis が稼働し始めてから完全独立するまでの間の、ほんの十数年間の間にしかない、貴重なものなんじゃないですかねぇ?355 の製造本数も 335 ほど多くはないだろうし…うーん、案外レアものなんじゃないですかねぇ!?
そういうことにしておいて下さい!(猛爆)
2015/08/17